2008年05月12日

シエスタ、アジア代表決定

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決勝は坂本対本吉の戦い。フィニッシュラインぎりぎりで決着が着くというすざましい戦いとなりました。photo by Junihi Hirai

 アジア代表チームを決める「Korea Match Cup Qualify Regatta」(コリアンマッチ予選)最終日。昨日から降り続ける雨は止まず。海上は冬のように寒く、風は8メートル前後で初夏とは思えないハードコンディションとなりました。

 最終日は、準決勝から開始です。ラウンドロビン1位通過の坂本が対戦相手に長堀を指名したことで、もう一方のマッチは本吉と三浦になります。

 準決勝では、風が強いため本部船からメインセールをリーフ(セールを縮小する)する指示がだされました。しかし、それでも部分的なブローではパワーオーバーです。スピネーカーをあげたダウンウインドではブローチングもみられました。

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準決勝ではスピネーカーでブローチングやスピントラブルが連発。緊張感のある戦いが繰り広げられます。photo by Junihi Hirai

 このような状況でも安定してボートを走らせることができた坂本と本吉が2勝し、決勝進出を決めます。

 決勝は準決勝とはかわって3勝先取となります(最大5戦)。海の状況は、雨はあがってきましたが、低い雲におおわれ風力アップ。決勝は、ワンポンメイン+スピネーカーなし、というサバイバル仕様の戦いとなりました。

 ボートスピードとコースを武器にする本吉は気合い十分。対する坂本は、セッティングがうまくあわないのかパワーダウンが足りず、不安定な走りをしいられます。

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坂本(左)と本吉の決勝は2対2で最終5戦までもつれこみました。photo by Junihi Hirai

 スタートで本吉が良いポジションをとれば、そのままボートスピードで差を広げ、また坂本がスタートを飛び出した場合、たくみなボートコントロールで本吉を押さえ込むというパターンで、両者ともゆずらず。2勝ずつのまま緊張の最終マッチをむかえます。

 「あせっていたわけではありません」という本吉は、スタート前のマニューバで、突発的なブローに対処できずポートスタボーでペナルティが与えられてしまいます。本吉はペナルティを持ったままのスタート。坂本が一気に優勢となりました。

 しかし、スタート後の右に振れる風をうまくつかんだ本吉は、ぐんぐんと坂本を引き離します。「ボートスピードがうまく出せているのを感じていたし、ハードなコンディションということもあり、相手艇に絡まずにスピードとコースを重視しました」という本吉は、坂本との差を最大6艇身ほどに広げます。

 坂本としては本吉に追いつくことが最大の使命です。昨年のJ/24全日本に優勝したシエスタメンバーが乗り込む坂本チームは、今大会出場チームのなかで総合力はナンバーワン。タック、ジャイブ等の基本動作をみていてもミスの少なさが際立っています。

 本吉は、第2上マークを坂本に5艇身の差をつけて最終レグへ向かいます。ここで、ペナルティを持ったままの本吉の策としては、坂本に攻撃を仕掛けるか。もしくは、フィニッシュラインまでにペナルティを解消(タックしてベアする回転)するかの2つ。本吉は、後ろを振り返ることなくダウンウインドを走り出し、攻撃策を捨てて自信のスピードで勝負に出ます。

 スピネーカーをあげていないため、ペナルティを解消しやすい状況でもあり、ボートスピードで差をひらき、ペナルティーを解消したのちにフィニッシュ、というのが本吉の理想的な筋書きででしょう。

 対する坂本の考えは、本吉の攻撃がないことを知り、「どこで本吉がペナルティを解消するか」「どこまで差を縮められるか」に集中します。坂本は左海面のブローをつかって本吉との差を縮めます。

 本吉がアクションをおこしたのは、最終フィニッシュライン手前。本吉は最後まで走りきりペナルティ解消に出ました。坂本はそこへねらい通りにスターボードタックのままボートを走らせます。

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写真はジャイブ中の本吉を坂本が避けた瞬間。スターボード艇(権利艇)の坂本からプロテストの声があがります。photo by Junihi Hirai

 坂本が接近したのは、本吉がペナルティ解消を終え、ジャイブをしてスターボードに変える最中でした。この瞬間、坂本から抗議、そしてアンパイア艇から、ホイッスルとともに本吉にペナルティを与えるブルーフラッグがあがり、勝負が決まりました。

 坂本(ヘルム)、西畑(バウ。キャプテン)、加原(メイン。タクティシャン)、岡本(トリマー)のシエスタチームが、コリアンマッチ予選優勝です。公式戦では勝利に恵まれなかった坂本ですが、今年最大級の国内マッチレースで勝利を飾り、コリアンマッチ出場の切符を手にしました。

「ハードなマッチだったので、ボートコントロールでミスしないことを心がけていました。3月のくるるマッチで予選負けしてから、スタートを課題にしてきました。今回は、(スタートが)以前よりもうまくいったと思います。グレード1のマッチに出場できるのは、価値のある大きなチャンス。番狂わせするぐらいの気持ちで行ってきます!」(坂本)

 コリアンマッチは、6月11〜15日まで韓国・京幾道で開催されます。出場するのは、前年度ランキングトップのIan Williams(英)、日本でもお馴染みPSTのPeter Gilmour(豪)をはじめとするトップマッチレーサーたち。シエスタチームは、このマッチへアジア代表として出場します。

 本戦の活躍も大いに期待します。がんばれ!

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焼き肉軍団お馴染みのレスラー風ガッツポーズ(左から西畑、加原、岡本、坂本)。この後、ハーバーでシャンパンファイトがおこなわれました。「いつもヘルムスマンの坂本ばかり取り上げられるが、それは大きな間違いだ。自分がいたから勝ったことをみんなに知ってもらいたい」(岡本。右2番目)。「いやいや、優れたタクティクスが勝利につながった。ぼくがいたから勝てたんです」(加原。左2番目)。ダチョウ倶楽部のようなシエスタでは、ともに世界で戦ってみたいメンバーを募集してます。photo by Junihi Hirai

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数秒の差で敗れた本吉チーム。「最終ダウンウインドでピンエンドを狙う作戦も考えたが(アウターマークでペナルティを解消後、相手艇にはルーム要求でフィニッシュ)、ボートスピードを優先した結果、ピンへ向かうのはロスと判断した」(本田)。「今回は勝てるメンバーで乗っていたし、勝てる勝負だったと思う。悔しいです」(本吉)。今春大学を卒業した本吉は、今後49er級で活動していく意向とのこと。photo by Junihi Hirai

◎Korea Match Cup
http://www.koreamatchcup.com/
◎日本ヨットマッチレース協会
http://www.matchrace.gr.jp/

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posted by BULKHEAD at 08:36| Comment(0) | キールボート
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