2008年06月18日

コリアマッチ参戦記

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若いマッチレーサーが大活躍したコリア・マッチカップ。優勝はフランスのSebastien COLでした。photo by Christopher Cameron

 6月15日まで韓国で開催されたコリア・マッチカップ。韓国ではじめて開催されたISAFグレード1のマッチレースは、韓国国際ボートショーと併催されたこともあり大盛況におわりました。

 アジアを代表して出場したシエスタは、3勝8敗で10位の成績。世界のマッチレーストップランカーを相手に、存分に戦ってくれてくれたことと思います。

 さて、シエスタチームのスキッパーをつとめた坂本 亘選手より、バルクヘッドマガジンへレポートが届きました。世界のトップランカーと戦った貴重な体験レポートでもあり、きっとみなさんの役に立つでしょう。長いレポートになるので、数回にわけて掲載します。

◎Korea Machcup Reult(スキッパー名、チーム名、獲得賞金)
1. Sebastien COL (FRA), K Challenge/French Match Racing Team $75,000
2. Ian WILLIAMS (GBR), Team Pindar $51,000
3. Adam MINOPRIO (NZL), Emirates Team New Zealand/BlackMatch Racing $42,000
4. Jesper RADICH (DEN), Rudy Project Sailing Team $30,000
5. Mathieu RICHARD (FRA), French Match Racing Team $24,000
6. Paolo CIAN (ITA), Team Shosholoza $21,000
7. Bjorn HANSEN (SWE), Alandia Sailing Team $18,000
8. Torvar MIRSKY (AUS), Mirsky Racing Team $15,000
9. Peter GILMOUR (AUS), Team PST $10,500
10. Wataru SAKAMOTO (JPN), Siesta Team $6,000
11. Magnus HOLMBERG (SWE), Victory Challenge $4,500
12. Seung Cheol LIM (KOR), Korea Gyeonman Team $3,000

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世界トップランカーと対戦して感じたこと(1)
レポート/シエスタ 坂本 亘

 コリア・マッチカップに出場し、彼らと対戦するまではどのようなマッチレースをしてくるのか緊張もありました。でも、ひとつひとつ冷静に振り返ると、彼らは基本に忠実で、至ってシンプルなレースでした。国内で行っているマッチレースと変わりはありません。しかし精度は違います。荒削りな部分はなく、本当に無駄がないという印象を持ちました。

 今大会で活躍したAdam Minoprio(3位)、Tover Mirsky(8位)は20代前半で、彼らはUnder25の大会で1、2位を争う選手でした。オーストラリア、ニュージーランドでは、ディーン・バーカー、ジェームス・スピットヒルに続く次世代の選手と噂されているようです。

 彼らのような年齢でマッチレースをはじめ、このレベルのレースを行っているのは本当に凄いことだと感心しました。日本でもディンギーだけにとらわれずマッチレースに挑戦してくる、挑戦的な選手が出てくることを期待したいと思います。

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ファイナルのCOL(FRA)対WILLIAMS(GBR)の1戦。WILLIAMSはCOLと同い年です(30歳)。photo by Christopher Cameron

セーリング、セッティングについて

 トップランカーたちは、どのような艇種に乗ってもその艇の最大限のパワーとスピードを引き出します。基本に忠実で、ベストのセッティングトリムを再現するため、すべてのシートにマーキングを行います。われわれはこのベストセッティングを作り出すのに時間を要しますが、彼らはレース前日の練習時間(2時間)でつかんでいたのではないかと思います。

 ベストセッティングを早くつかむには、できるだけ多くの艇種に乗り、その船の特性を掴むトレーニングを行うしかないと思います。可能ならばその艇種も30フィート以上の船がよいと思います。

 キールボートはディンギーと比べると加速性能が悪く、さらにバルブキールになるとさらに加速(走り出し)は悪くなります。この辺りの特性を良く理解しセッティングに臨むことができれば改善されると思います。

 今回われわれが乗った艇はバルブキールでしたが、一度スピードがつくと本当に良いスピード性能で走ります。あれだけのバルブ(鉛)がキール下にあるのですから当然スタビリティーは高くなります。このような艇種でレースを行うと、少しのスピード差が本当に明暗を分けます。

 具体的にいえば、タック後のスピードが0.5ノット違うだけでバウダウンの角度、セールの引き込み量が変わってくるのです。スピードビルド(加速させる)だけに意識をしてはいけません。

 コンディションを見て、タックの回し方を選択する方法があると感じました。船のスタビリティーが高くなるという事は、惰性(だせい)能力も高くなります。この惰性を上手く使いタックしなければなりません。すなわちタックで高さを稼ぐということです。

 書いていることが矛盾しているのですが、タックで高さを稼ぐのか、スピードビルドしなければならないのかを常に感じて選択しなければベストのセーリングはできません。トップセーラーたちはこの辺りの無駄が見られませんでした。

(シエスタレポートは次回へ続きます)



↑坂本対ギルモア戦のスタート〜アップウインドシーン(動画)。thanks TackDucks!

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posted by BULKHEAD at 07:42| Comment(0) | キールボート
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