2008年07月19日

ユースワールドを終えて

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デンマークで開催されたユースワールド。来年はブラジルで開催されます。photo by Ko Takahashi

 7月19日までデンマークで開催されたVolvo Youth Sailing ISAF World Championship(ユースワールド)が終了しました。強風シリーズとなった本大会。日本チームは悪戦奮闘の毎日だったようです。サポートとして同行した高橋 航コーチより、さっそくレポートと写真が届きましたので紹介します。

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トレーニングと強風レース
レポート/高橋 航

ユースワールド成績
レーザー級
 1位CYP 2位USA 3位NZL 43位日本(参加45艇)
レーザーラジアル級
 1位AUS 2位ESP 3位NZL 34位日本(参加40艇)
29er級男子
 1位GBR 2位ARG 3位USA 21位日本(参加25艇)
29er級女子
 1位GBR 2位NED 3位AUS 18位日本(参加18艇)

 日本の敗因は海外選手との体格差とも考えられますが、全体を見ると決して大きい選手ばかりではない印象を受けました。確かに大きい選手はいますが、日本選手と同等の選手も多いようでした。

 それでは、どこに差があるかというと『トレーニングしているか否か』にあると思います。他国の選手は、セーリング競技以外のスポーツにおいても十分通用する感じです。これは、男女共にいえることであり、トレーニングに対する意識や知識の差があるのではないかと推察します。

 また、今回は平均して風速20ノットのコンディションでした。毎日、6時間くらい海の上にいるのですが、これに対する慣れのようなものが足りないことを感じました。ハードな環境でレースをすることに慣れていかないと、レースをするだけで精一杯でレースを戦うところまで到達しないような気がします。

 加えて、海外選手の強風下でのスピード感覚というのが幅広く、吹いても吹いても対応できるという感じを受けました。風が吹くことにネガティブな思考が先を行くのではなく、そのスリルを楽しめる選手の育成が必要だと思います。『トレーニングと強風レース』。この2つをユースワールド対策として掲げ、次回のブラジルではこの雪辱を晴らしたいと思います。

 Volvo Youth Worldは世界中の高校生、それもシングルもツーマンもウィンドも一緒に集まる楽しい大会です。「日本の多くの高校生にこの大会を目指してもらい、世界のライバルと戦う」。このようになれるよう努力していければと思います。

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ハードな環境でどれだけヨットレースができるか。日本は次回ユースワールドへ向けて課題が残されました。photo by Ko Takahashi

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今大会で話題となったキプロスのPavlos KONTIDES選手。ユースワールドで2度目の優勝を決めました。photo onEdition

◎Volvo Youth Sailing ISAF World Championship
http://www.youthworlds2008.org/

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posted by BULKHEAD at 22:32| Comment(6) | ディンギー
この記事へのコメント
日本のユースは太刀打ちできませんか?
各国はレーザーや29erで高校選手権をやってますか?
高校とユース、どんな立場で運営されているのでしょうか。
Posted by babe monkey at 2008年07月20日 04:49
各国といっても対象が広すぎて困ってしまいますが、ユースセーリングはヨットクラブの育成プログラムとして行われている例をよく耳にします。
今年の全米大学選手権は、名門ニューヨークヨットクラブが主催したし、今年の470女子世界チャンピオンも同クラブ出身です。ニュージーランドでもヨットクラブ主体で、こちらはある程度の年齢になると、クルーザーに乗るユースも登場します。ディンギーレースをマジメにやるにはお金が掛かるからです。若者のヨットに力を入れているシンガポールは、協会組織が育成をおこなっているようです。
ただし各国の例は参考程度に。ベースになっているセーラーの数、ボートの数が日本とケタ違いなので、対等に比べるのは正しくないと思います。
それと、高校とユースの立場(?)は共通の認識として同じだと思いますよ。高校教育は国によって年が違うし、年齢で区分されるのが通常でしょう。
艇種は、2人乗りは420級、1人乗りはレーザーラジアル級が多いのではないでしょうか。29erもユースワールドで採用されてから増えています。また、アメリカの大学選手権はカレッジFJ(CFJ)と呼ばれるFJ改良版を使用しています。CFJはスピンなし。大学対抗戦だけでなく、チームレース、個人戦もおこなっています。
細かい部分は国によって違うのが実情でしょう。でも、セーリングの基礎を学んでいるので、違うクラスに乗ってもすぐ応用できる、という部分が大きいと思います。
ちょっと説明不足感もありますが、このへんで失礼します。
Posted by HIRAI at 2008年07月20日 07:21
日本セーリング連盟、高橋コーチ。レース期間中は、お世話になりお礼を申し上げます。コーチは、日本セーリング連盟のホームページで、「The Volvo Trophyを手にすることを目標に、ユース選手とともに努力して行きたい」と目標を掲げておられますが、では実際に日本セーリング連盟コーチとして、どういう取組みを実行するおつもりでしょうか?また、本magazineでは、「日本は世界の流れと別の方向を向いていることを知っておいてほしい」とも書いておられます。日本の高校生(ユース)のヨット競技が、インターハイや国体主体で進んでいる現況の中で、対Volvoユース強化にどう取り組んでゆく考えなのかお聞かせ下さい。一部には、来年のブラジル大会でのユース種目、420級について、日本では、FJ級を用いて選考レースを行うとの話しが出ているようです。Volvo本大会直前まで、日本各地のインターハイ予選を戦った選手を、本大会二日前に、Volvo大会会場に連れて行って、普段余り乗ったことも無い420級に乗せたところで、一年のほとんどを同級でこの大会を目標に練習する海外の強化選手に太刀打ちできますか?世界各国とセーリング競技で戦うため、世界のユース種目と日本の高校生の種目の矛盾について、もっと話し合われるべきと私も考えます。
Posted by 牟田口利彦 at 2008年07月21日 22:42
やはりクラブの運営で、縦の繋がり縦への流れが出来ていないとだめなのですね。
高校ヨット部もヨットチームだしジュニアクラブもジュニアチームで、各カテゴリーで完結してしまってクラブのような流れを作れないです。
思い切って高校ヨットとユースヨットと完全に別々にしてしまって、対抗戦みたいなレースを作ってしまうのも面白いかもしれません。
高校チャンピオンがチャンピオンで終わりでは何か寂しいものがあります。
チャンピオンが次のエリアにチャレンジできるシステムがあれば、また次のカテゴリーにチャレンジできるシステムがあればもう少し強くなれると思います。
高校生に世界を見ろは無理です。高校生の8割はサッカーをしたり野球をしたりテニスをしているのと同じ感覚でヨットをやっています。
だから何とか今のレベルを保っているだけです。
OPからFJにチャレンジしてきた人と対等に競えるステージを作ったり、スキルのあるものがさらに上位のステージにチャレンジできるステージが必要に感じます。
高校ヨットをユースと呼ぶにはあまりにもステージが違いすぎるように思います。
Posted by babe monkey at 2008年07月23日 00:01
babe monkey様
私は、日本の高校生が世界のユース大会で戦うのは無理、とは全く思っておりません。今回のデンマーク大会での29er選手の敗退は、やはり強風域での乗り込み不足だったということが否めません。過去、唐津西高の斉藤、吉永組が韓国釜山大会男子420級で銀メダルを獲得しています。それでは、なぜ二人が表彰台の上に登ることができたのか?彼らは、佐賀県ヨットハーバーの指導者のもとに翌年の本大会目指して、国体終了後から420級の練習を始め、全日本420級選手権などのレースを経験し、5月の国内予選に備えました。大会には、全国からもインターハイ有力高や多数のユース選手が参加してレベルの高いレースが行われ、更に彼らの技術が研ぎ澄まされたものと思います。このように、420級は、艇数こそFJ級にははるかに及ばないものの、長年ユース種目に力を入れてきたヨットクラブには存在し、現に昨年の唐津で行われた全日本420級選手権には、新艇を持ち込む有力高がいくつもありました。私が危惧するのは、来年の国内予選を非公式にしろFJ級で行うとアナウンスをする有力クラブの真意がわからないことです。そんなことをすれば、国内予選に勝利する為、FJ級だけの練習に固執してしまうクラブが出てきて当然ではないのか?という思いです。420級での練習が必要だとわかっていても予選種目がFJ級ならば、必然的に420級から遠ざかるのは目に見えています。もちろん私は、来年の国内予選がVolvo本大会と同じ420級で行われるものと信じています。
Posted by 牟田口利彦 at 2008年07月23日 18:25
 何が正解かは、結果が出ないとわからない訳ですが、(結果からも、何が良くて悪かったかは、考えが分かれるところでしょうが・・・)、真剣にユースの未来について考えていらっしゃる方がいることに、心強さを覚えます。
 こういったところに書き込まれる方がいらっしゃるということは、書き込まれないけれど、真剣に考えていらっしゃる方が、まだまだ沢山いらしゃるのでしょうからね。
Posted by ゆう at 2008年07月27日 08:10
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