2009年08月31日

インカレ個人戦09展望(1)

 9月4〜6日、愛知県蒲郡で全日本学生ヨット選手権個人戦が開催されます。大会を直前に控え、学生ヨットを積極的に取材されている外道無量院さんから、インカレ個人戦展望が届きました。個人の力量がシンプルに競われる個人戦は、学校対決となる全日本インカレ(団体戦)と大きく異なります。さて、今年の個人戦を制するのはだれでしょうか? 470級、スナイプ級にわけて紹介します(バルクヘッドマガジン)。

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◎全日本インカレ個人戦展望 470級
 ここ2年連続でチャンピオンを生んだ福岡経済大からは、今年も激戦の九州水域予選を3艇が通過してきた。昨年まで毎年のように優勝戦線を賑わしながら、どうしても「ここ1番」でリコールし、優勝に届かない飯束と、一昨年の王者・冨岡は有力。この2艇は7月にギリシャで行われたジュニア・ワールドに参加した。

 必勝を期し、日本から送った自艇がロジスティック・トラブルで現地に到着せず、直前になって急遽、現地でのチャーター艇で臨む、というハンディキャップを負いながらも飯束艇はゴールドフリートで上位陣と互角に戦い、冨岡艇はシルバーフリートながら、最上位に位置した。

 一方、この福岡経済大勢と個戦やインカレでここ3年間、互角の死闘を続けている関西学院大からの予選通過は、3年前の個戦チャンプ・市野と小栗の2艇のみで、飯束、冨岡と共に女子日本代表としてジュニア・ワールドに参加し、3番艇に抜擢された期待のルーキー松下艇が最終レースで痛恨のBFDに引っ掛かり予選落選の番狂わせ。

 逆にその水域予選に470だけで10艇を参加させてきた関西大から4艇の通過となった。ジュニアワールド遠征中で、クラスリーダー・木山不在のスナイプでも水域個戦にも9艇が参加したように、圧倒的に部員が多く、部内でのレギュラー争いの熾烈さがレベルアップを生み、昨年の全日本インカレあたりから成果を出しつつある。470のほうは、スナイプ・木山のような「エース」は見当たらないが、予選通過の4艇、岩見、出射、大曲、赤崎の4艇は、昨年までとは違う、「強くなった関大470」の力を見せてくれそうだ。

 近北水域からは、立命館大3艇、同志社大2艇、金沢大1艇の参加。ここ何年か安定した力を維持している立命館大は、水域予選を圧勝したエース・野田が個戦・日本一を狙う。

 100艇を越える参加をみた予選最多艇水域の関東予選を、7本中5本でトップと圧勝した河合龍太郎(慶應義塾大)も有力な候補ではあるが、残念ながら慶應からの予選通過はその河合艇のみ。昨年も関東個戦2位通過で、満を持して全日本個戦に臨んだが、九州、関西勢の厚い壁にはね返された。昨年優勝した宮川(日吉染業・福岡経済大卒)以外、上位争いの相手とするメンツはほぼ同じで、この1年の進境を試すことになる。

 その関東予選の2、3位通過は法政の2艇、森本と斎藤。三番艇の牟田口が次点(15位)で落選したが、チームとして昨年来の不調を徐々に回復しつつある。特に最上級生となった斎藤は、高校時代、高2でインターハイを制し、高3時には420級で行われたユースワールドで銀メダルを獲得した。個戦チャンプとなっても何の不思議もない経歴の持ち主である。

 一方、昨年の全日本インカレ総合優勝の早稲田大からは新郷、横田、濱本、市川と4艇が水域予選を通過してきた。何か、早くも団体戦を意識した手堅いレース展開をしていたように見えたのは気のせいか? 4艇とも常に安定したスタートをしていたのが目立った。

 欲を言えば、チーム内でレギュラーを争う激しさが関大ほど感じられないのと、昨年の村山(5年)のような、個戦チャンプを狙えるエース不在が悩みと言えば悩みではあろうが、他大から見れば贅沢な悩みではある。関大と並んでの「4艇参加」に昨年来の勢いを感じる。個戦本番では、クルーと艇の配置を代えて、特にエース格の新郷艇は勝負を挑んでくると読む。

 さて、優勝争いの展望であるが、過去のチャンプの2艇、関西学院大・市野、福岡経済大・冨岡と、同・飯束が「3強」と予想する。これに、野田(立命館)、河合(慶應)の各水域チャンプが加わり、序盤で勢いが付けば潜在能力のある斎藤、森本の法政の2艇、さらにチームとして勢いのある岩見(関大)、新郷(早稲田)までもが絡む展開まであるか? 加えて、昨年のスナイプ個戦チャンプ、川原(福岡大)がどこまでやるかも楽しみだ。

 強風シリーズともなれば重量チームの小栗(関西学院)も優勝争いに加わってこよう。また、逆に微・軽風シリーズともなると、水域予選で昨年のインターハイ・チャンプで同志社期待のルーキー・西村(同志社大)を蹴落として通過してきた伊藤(立命館大)、矢田(金沢大)をはじめ、大曲(関大)、濱本(早稲田大)、村濱(明治大)などの女子スキッパーチームも上位進出の機会を伺うだろう。
文/外道無量院

◎・・・・・・・・飯束艇(福岡経済大)
〇・・・・・・・・市野艇(関西学院大)
▲・・・・・・・・冨岡艇(福岡経済大)
△・・・・・・・・野田艇(立命館大)
△・・・・・・・・河合艇(慶應義塾大)
△・・・・・・・・斎藤艇(法政大)
△・・・・・・・・新郷艇(早稲田大)
△・・・・・・・・川原艇(福岡大)
△・・・・・・・・森本艇(法政大)
△・・・・・・・・岩見艇(関西大)
強風注・・・・小栗艇(関西学院大)
微・軽風注・・・・伊藤(立命館大)、矢田(金沢大)、大曲(関西大)、濱本(早稲田大)、村濱(明治大)

※スナイプ編へ続きます。


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posted by BULKHEAD at 19:07| Comment(12) | インカレ
この記事へのコメント
 展望を公開していただくのは結構ですが、学生は学生生活の全てを懸けて戦っています。そのことは外道無量院さま自身が一番よくご存知なはずです。
 結果を◎○▲△注とは競馬予想ですか・・??
 外道無量院さまの展望が、いくら遊び心のある大人たちに影響力があったとしても、自然が学生たちにもたらす影響力には及ばないのです。
 どうか、あまり公にまで展望を広げられませぬように。
Posted by ヨット部OB at 2009年09月01日 09:07

たしかに上記の意見の通りです。
いつも予想はされてるみたいですがあなたが予想してどうするのですか?
自分達は一生懸命戦っているのですからこういうものを公にですのはどうかと。
毎回記事を読んで不満の声を多数聞きます。
Posted by ヨット部現役 at 2009年09月01日 15:07
そうですかね?
私は盛り上がって良いと思うのですが・・・。
外道無量院さんは、顔は覚えていないのですが、3年まえの琵琶湖インカレではサポートボートの無い我々を曳航もしてくれた、非常に親切な仏様みたいな方でしたよ。
Posted by ヨット部今春卒業生 at 2009年09月01日 19:46
私も盛り上がって良いと思いますが・・・。

自分たちのセイリング競技がいかにマイナーであるか、大学生になれば自覚しているはずでしょう。
従って競技力も人材もそして視野も薄くて狭いものにならない為にはどうすればよいのか、こういう問題意識と危機感を私は外道無量院さんの展望から気付かせてもらいましたけど・・・。

セイリングに限らず、現役のプレイヤーが真剣に取り組むのは、当然のことです。
自分のために、そして大学の名誉をかけて戦うのが大学スポーツの真髄ですから。

その一方で、観客や関係者が勝敗や戦略などの予想をして観戦を楽しんだりすることは野球・ラグビー・アメフトの例をあげるまでもなく、選手に対立するものではありません。

昨年の関東インカレ展望の以下の序文が印象的でした。
『「ヨットマンの神宮球場」葉山森戸沖に観戦に行って盛り上がりましょう!』
Posted by 老舟 at 2009年09月01日 20:52
 学連関係者の皆さんから多数の意見が出ているようですが、以下は元スナイプ屋の私個人的な意見です。
 
 高体連、学連のセーリングの現状を一般の方々へ伝える1つの方法ではないかと思います。

 この記事が投稿されなければ、今年の学生レースの状況は解りませんでした。
 
 予想されることが嫌な選手、関係者がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは現役で活動しているセーラーの結果には全く関係ないと思います。
 予想されようが選手は全力で戦うものです。


 高校野球、学生メジャー競技を見てください。様々な角度から取材、報道がされています。
 現状では同様にセーリング競技を当てはめる事は困難だと思いますが、学連OBの人たちに関心を持ってもらうことぐらい簡単だと思います。
 出身校の情報はあるとしても他校の情報は伝わりにくいものです。


 学生レースの情報をもっと表に出すことによって日本のセーリング界の未来に繋がる可能性があるのではないかと思います。
 
 いつまでも昔のスタイルのまま、「学生は学連レース」という位置づけで行っていると学連レースがますます衰退してしまうのではないかと思います。


 少しでもメディアにアピールし、これからセーリングを始める若い選手達にセーリングの魅力を伝えて頂きたいですね。
Posted by 元スナイプ屋 at 2009年09月01日 23:04
 学生は競走馬じゃないよと、言いたい事はわかるのですが、外道無量院さんの評価は、各大学ヨット部の実力を客観的に、冷静に見てて勉強になります。わかりやすい。
 
 自分の大学が優勝するんだと常に思うのは当然ですが、表現はどうあれ、自らを客観視してくれる人間の意見を聞く事も必要だと思います。大学ヨット部はかなり異質ですからね。

 学生達も、評価される事は名誉な事、過去の結果での判断ですから、しんどい練習、努力の結果だし、予想されていない学生は練習、努力が足らない、ということを教えてくれてるんじゃないですかね?

 我が母校も以前はヨット部OBさん、ヨット部現役さんのように、外部の意見を聞かない、関係ない、うるさいと閉鎖的な考え(失礼な言い方ですが、学連至上主義、下手なくせに上から目線)でしたが、ここ数年で劇的に変わり、積年の悔しさを吹き飛ばしました。

 しかし、外道無量院さんの予想、鉄板ですね・・・でも勝負は番狂わせがあるからおもしろい・・・

みんな頑張れ!
Posted by 昨年優勝校OB at 2009年09月02日 09:28
 誰から何も意見が出ない(できない)ことが不自然だと思い、また、どのような方がどのようなお考えで展望を投稿されているのかが理解できず、コメントさせていただきました。
 しかし、皆様のコメントを読ませていただき、非常に勉強になりました。

 予想・意見は選手にとって俯瞰的視点をもつ上で必要不可欠であり、また成長の動機につながります。
 ただし、大学(または選手個人名)を公で評価する方がおられれば、フォローする人間も必要。
 これは、メジャー・マイナーを問わず、決してプロではない学生スポーツを応援する上で非常に大切なことだと思います。

 お騒がせいたしました。
Posted by ヨット部OB at 2009年09月02日 16:43
ヨット部OBさまへ

>ただし、大学(または選手個人名)を公で評価する方がおられれば、フォローする人間も必要。
>これは、メジャー・マイナーを問わず、決してプロではない学生スポーツを応援する上で非常に大切・・・

選手個人名を表していることを「公」と言われているのでしょうか、
言われている意味が分かりません、

よろしければ説明をお願いします。


Posted by 匿名希望 at 2009年09月02日 20:56
 『公』おおやけと読んで公の場とご理解いただければと思います。
選手個人名を表すこと=公ではございません。

 さまざまな立場からの考え方、期待、応援の形があると思います。
 学連関係者だけでない、たくさんの方の期待に感謝し、応援に支えられて選手たちが活躍してくれることを頼もしく感じております。

 ややこしい表現をして申し訳ありませんでした。
Posted by ヨット部OB at 2009年09月03日 09:31
みなさんの意見は、とても参考になります。昨秋の全日本インカレ前にも書きましたが、バルクヘッドの記事は普段インカレに縁のない読者に興味を持ってほしい、というスタンスで掲載しています。「インカレをよりおもしろく観戦するための参考資料」と読んでもらえればさいわいです。

それにしても、インカレ関係者はものすごいパワフルですね。このパワーで日本セーリング界に通じる閉塞感を吹き飛ばすことはできないものでしょうか? なんてことを考えています。
Posted by HIRAI at 2009年09月03日 10:54
 せっかく、インカレの展望を面白く記事にして盛り上げようとなさっている方々に対して、前時代の思考が今だ抜けない方々がいらっしゃって、がっかりしたのでコメントしたまでです。

 ヨットといっしょですね。どんどん先行していく艇をただ眺めてるだけで、コースも、チューニングも、セールセッティングも間違えていないと思って走り続ける艇のよう。

 勇気を出してタックやジャイブしたり、チューニング、セールセッティングを変えてみては?

 今後も面白い記事、期待しています!

 
Posted by 昨年優勝校OB at 2009年09月03日 12:38
昨年度優勝校OB様

 昨年度、共にトロフィーをいただいた中ではないですか。あまりいじめないで下さいねっっ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

 皆様に不愉快な思いをさせてしまいましたこと、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。

 今年も一緒に盛り上げましょうっっ↑↑(*ゝ(ェ)・)ノ☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆
Posted by ヨット部OB at 2009年09月03日 21:43
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