2010年09月20日

決戦学生女子、新女王誕生

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全日本女子インカレ最終日。470級はゼネリコ後、微風スタートとなりました。photo by Junichi Hirai

 葉山沖で3日間にわたってくり広げられた日建・レンタコムカップ 全日本学生女子ヨット選手権。最終日は、朝から風が弱く、約1時間の陸上待機の後、南にまわった微風のなか1レースがおこなわれました(レポート/バルクヘッドマガジン)。

 470級は早稲田大の山口/井上が、右海面のシフトをとらえてトップ回航。その後も後続を抑えてトップフィニッシュを果たしました。本大会の序盤で失点を叩いてしまった山口/井上ですが、後半になるにつれて、2-3-2-2-1と好調さをアピール。山口は1年生ながらも総合3位を獲得しました。

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キラリと光っていた山口/井上。さらなる成長に期待です。photo by Junichi Hirai

 日本経済大の徳重/安田は、安全策をとったのか、1上マーク7位回航後、ジワジワと追い上げ、終わってみれば3位フィニッシュ。2位の藤井/栗栖(日本大)に22点差をつけて勝利しました。

「昨年は同点2位、実は一昨年もコンマ数点差で入賞を逃しているんです。今回の優勝は、470ジュニアワールド出場(参考:BHM記事)もかかっていただけあって、とてもうれしいです! でも、実は今回のレースで、1位を取っても三船監督、岡村コーチからレース内容で叱られることが多かったです。女子グループのなかでボートスピードがあったから抜け出せた、というのが、正直なところ。まだまだです。がんばります」(徳重)

 昨年、一昨年の全日本インカレ470級で連覇した日本経済大のなかでもまれているだけあって、一歩上の実力の印象がある徳重/安田。同大学ヨット部では、昨年より練習内容にクルーザーレースを取り入れていて、相模湾で活躍した〈ファウンデーション〉の藤巻オーナーの協力のもと、43フィートのビッグボート(J/V43)でレース活動をしています。このトレーニングも彼女たちに役立っているとか。

「上級生や同級とみんなで一緒に乗ると、「ああ、先輩はこういうときにこんなこと考えているんだな」など分かります。わたしは、バウの補佐。安田はピットをやったり。ポジションを固定しないので、いろんな勉強ができます」(徳重)

「(大人の手伝いではなく)学生だけで動かせるようになるのが目標です。470にも大きく役立っています。同じヨットですから考え方は同じ。スピードメーターがあるので、感覚ではないデータ(数値)のセーリングも学んでいます。部員たちのクルーワークはかなり上達していますよ」と岡村コーチ。勝つためには、さまざまなアイデアを実行する。こんなところにも日本経済大の強さが垣間みられます。

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徳重(右)/安田。徳重はジュニア時代を鹿児島で活動。高校では特別ヨットに乗っていなかったが「真剣」にやりたくて日本経済大へ。クルーの安田は50キロ前半とクルーにしてはかなり軽量。「高校の時は60キロあったんです。20歳を越えたら新陳代謝がよくなったせいか(?)痩せてしまいました。これでも大学に入って身長が2センチ伸びたんです。もっと大きくなりたい!」とのこと。photo by Junichi Hirai

 スナイプ級は、増川/山本(関西学院大)が最終レースの微風戦もなんなくクリアして2位フィニッシュ。終わってみれば、スコアに1位が5つも並ぶ横綱相撲で圧勝です。この最終レースでは、スタート時のブラックフラッグ(リコール即失格)に16艇が掛かるという波乱もありました。そのなかには、木内艇、長塚艇といった上位グループも混じっていたこともあり、2位には中央大の樋口/久保がジャンプアップしました。

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BFD失格16艇の波乱となったスナイプ級最終レース。写真は総合2位にあがった樋口/久保。photo by Junichi Hirai

「今回はクルーががんばってくれました。チームは、小戸の個人戦がおわってから乗り始め、時間は限られていましたが、みっちり乗り込みました。ほとんどのレースでスタートがうまく決まったのが勝因だと思います。ボートスピードもあったので、有利に展開できました。それと、470チームのがんばりもあり、総合優勝できたのがなによりうれしいです。今回は、総合優勝を狙えるメンバーだったし、どうしても勝ちたかった。そして、選手をサポートしてくれたマネージャーたちにも感謝です」(増川)

 同大学のスナイプリーダー、女子リーダーをつとめる増川は、個人では3度目の全日本女子優勝を飾りました。この成績は、日本大時代にスナイプ1回、470で1回優勝した近藤 愛(チームアビーム)と並ぶ快挙で、スナイプだけで3回優勝したのは増川がはじめてです。

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増川(右)/山本。山本は追手門学院高バスケ部出身。関西学院大ヨット部の名物勧誘「たこ焼きパーティ」になびいて入部したとか。ハイクアウトも決まってかっこよかったです。博多女子高出身の増川は、「470優勝の安田は1つ後輩。顧問だった先生に電話したらよろこんでくれました」。名門・博多女子高は昨年廃部になってしまいましたが、教え子たちは元気に成長しています。photo by Junichi Hirai

 大会閉会式は、17時半から湘南国際村の研修センターを借りて盛大におこなわれました。「みなさんが大学を卒業しても、結婚しても、お母さんになっても、ずっとヨットを続けてくださいね」とやさしくさとすようにスピーチした長田美香子大会委員長の言葉が印象に残ります。さあ、来年は全日本女子インカレ20回大会。節目となる全日本女子インカレは、本大会と同じ葉山で開催される予定です。

470級 参加27艇
1. 徳重/安田(日本経済大)1-4-1-1-3-1-3 14p
2. 藤井/栗栖(日本大)9-5-8-5-1-3-5 36p
3. 山口/井上(早稲田大)10-17-2-3-2-2-1 37p
4. 後藤/原口(関西大)6-1-5-13-5-6-6 42p
5. 堤/安部(法政大)11-3-6-7-7-7-2 43p
6. 大曲/西山(関西大)4-9-10-4-4-5-9 45p

スナイプ級 参加30艇
1. 増川/山本(関西学院大)1-1-1-1-1-9-2 16p
2. 樋口/久保(中央大)5-5-15-6-10-6-4 51p
3. 木内/塩出(早稲田大)4-8-3-2-3-4-BFD 51p
4. 長塚/稲垣(日本大)2-7-10-4-2-1-BFD 57p
5. 田中/渡辺(日本大)6-4-19-5-8-7-9 58p
6. 岡/山田(鹿屋体育大)3-16-5-21-9-3-6 63p

総合
1. 関西学院大 74p
2. 早稲田大 92p
3. 日本大 93p
4. 鹿屋体育大 110p
5. 関西大 118p
6. 法政大 185p

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閉会式は湘南国際村へ移動しておごそかに。選手たちは、海と制服を着た姿は別人のようにおしとやかにみえます。photo by Junichi Hirai

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パーティが盛り上がり、倭大会副会長のかけ声でジェンカ(?)がはじまりました。ジェンカはあまり女子大生ぽくありませんが、めちゃくちゃパワフルでした。photo by Junichi Hirai

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posted by BULKHEAD at 23:12| インカレ