2010年12月10日

セーリング競技を考える

連載・ケンイチ通信──FROM イングランド
『セーリング競技を考える』

文・写真/中村健一

11月28日
 最近、アジア諸国のジュニア育成強化が芽を出し始め、日本のセーリングはうかうかしていられなくなっている現状があります。

 現在、日本で活躍しているトップセーラーたちの約8割は、ジュニアOP級上がりの選手が多く、いかにジュニア時期の育成効果があるかわかると思います。

 現在の日本のセーリング事情を少し考えてみると、おおまかに以下のような流れになっています。

小学〜中学生
 OP級、【シーホッパーSR級、SS級(国体専用:中学3年のみ出場可)】
高校生
 FJ級、【シーホッパーSR級、SS級(国体専用)】
大学生
 スナイプ級、470級、ウインドサーフィン級

小学〜中学生
 日本のOP級は、世界の中で戦える技術を持っています。実際の現場では、全国の大会をチェックし、たくさんの遠征に子供を連れて行き、子供たちに少しでも多くの経験をしてもらおうと、お父さんやお母さん、クラブの皆さんがものすごくがんばっています(経費もかなりかかります)。

 私としては、各地方で定期合宿を設け、コーチを派遣できる態勢が取れれば、もっとレベルが上がるのではと考えています。現実的に可能かどうかは今後の課題だと思います。

高校生
 次のステップの高校では、FJ級、シーホッパーSR級、SS級となっています。近年、道具の進化やセールの開発が進み、合計体重の軽い選手でも強風を走り切れるようになりました。それと、日本では風の吹かない海面が多く、成長盛りの選手が過酷な減量をおこなわざるを得ない現状もあります。

 また、シングルハンドのシーホッパーSR級は、インターハイの種目になく、シングルを目指す若者もあまりいないのが現状です。

 私としては、FJ級は2人の合計体重の下限体重を設定(合計体重下限:120kg)し、減量しないルールを作ってはと思います。シングルハンドはラジアル級を採用し、インターハイ種目にしてほしいと思っています。

大学生
 スナイプ級、470級、ウィンドサーフィン級と艇種は充実しており、引き続きインカレを目指してがんばってほしいと思います。

 私としては、シングルハンドのレーザー級、大学対抗マッチレース選手権などが入ってくれば、もっと面白くなりそうですが。

 基本的には、今までのままでも世界に通用する選手が出てきているのも事実です。しかし、他のアジア諸国は国がスポンサーとなり強化を推し進めているため、これまでの様なやり方では少し遅れて行くかもしれません。

 オリンピック種目も今後、上を目指して行く選手にとっては重要になってきますが、直近のISAFイベント委員会によるリオ五輪投票結果を見ると、選手の大型化が必要になってくる種目ばかりとなっています。

◎リオ五輪セーリング種目案 ※決定ではありません
 ボード、もしくはカイトボード男女 艇種検討
 1人乗りディンギー男子 レーザー級
 1人乗りディンギー女子 レーザーラジアル級
 2人乗りディンギー(スキフ)男子 49er級
 2人乗りディンギー(スキフ)女子 艇種検討
 1人乗りディンギー男子 フィン級
 2人乗りマルチハル男女混合 艇種検討
 2人乗りスピネーカーディンギー男女混合 470級
 女子キールボート エリオット6m

 社会人でセーリングを真剣に目指そうとする選手も、近年の不況でヨット部の廃部、休部、活動費削減等が多く見受けられ、セーリングを続けて行くことにも苦しくなっている現状があります。活動自体が縮小すると、基本的には日本でも世界でも勝てないため、また縮小するという悪循環が働きます。

 セーリング競技の全ての流れを、もう一度考えて行かなければいけない時期なのかもしれません。セーリング競技をどのようにとらえ、活動していくのか、子供たちに未来を与えれる競技になるよう、私自身も考えて行きたいと思います。

10.12.10_02.jpg
 ウェールズセーリング協会(以下WYA)は、ここプラスメナイ・ナショナルウォータースポーツセンターで、土日でジュニア育成についての会議と、ジュニア選手の合宿が盛んに行われています(かなり激しく討論もしています)。

 WYAには大きなスポンサーが付いていて、これを軸に活動を展開しています。ボルボ社がスポンサーで社用車は全てボルボです。

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