2010年12月31日

次世代選手の育成を考える

連載・ケンイチ通信──FROM イングランド
『次世代選手の育成を考える(1)』

文・図/中村健一

12月22日
 こちらで少しWYAのコーチとイギリスユースの話ができたので紹介するのと合わせて、私なりの考え(自論です)を述べて行こうと思います。

 今年のOP級世界選手権のイギリス代表は、5名中4名が体重55sで上位を狙うのは非常にむずかしいとのことでした。ではなぜイギリスはオリンピックでたくさんの金メダルを獲得できるのか、なぜイギリスの選手は強いのか、ジュニア期からの進化にどのようなスパイスが使われているのか、少し興味がありますよね。

 セーリング界のスーパースターであるイギリスのベン・エインズリーは、ジュニアOP時代での世界選手権最高順位は30位で、49erで金メダルを取ったスキッパーもISAFの420級では32位だったそうです。

 なぜこのような事を言うのかというと、ジュニア時期の成績が必ずしもオリンピックに直結しているかというと、あまり気にすることはないということです。しかしながら、これはあくまで組織の態勢が全て整っている、ということが条件になるのだと思います。

 もちろん世界選手権などで優勝した選手は将来有望ですが、成長に伴い艇種の変更による向き不向きもあるため、誰が頭角を現してくるのか分からなくなり、混戦になるようです。

 イギリスでは、ジュニア選手の育成にもっとも重点を置いているのがプロセスのようで、結果だけを見ると選手によってかなりばらつきがあるそうですが、このばらつきをトライアングル(下図参照)で常に修正し、選手のばらつきを抑え全体的なレベルアップを行っているようです。

10.12.31_05.jpg

 また、このトライアングルを上手く回すことで常に選手の知識や技術を止まることなく向上させているようです。

「結果よりもそこまでの過程が大切だ」とよく言いますが、まさにこれは長いスパンで過程を大切にし、目には見えにくいのですが、確実に選手はレベルアップしていく体制だと思います。このサイクルで過ごしてきた選手は、高校生くらいから世界と戦える知識や技術が開花し、頭角を現してくるのだと思います。

 日本にはJSAFジュニアユース育成強化委員会があり、最近活発に展開し始めていますが、まだまだイギリスのような強いトライアングルの態勢は確立されていません(比較図)。

10.12.31_04.jpg

 しかし、現段階でのJSAF には、大変感心できる取り組みがたくさんなされています。

 セーリングで上を目指す選手、コーチにもっと多くの情報(正しい情報)を発信していく事が重要で、特に地方の選手は埋もれがちなところがあるため、しっかりとフォローできる体制も確立し、日本のどこでもがんばればトップ選手になれることを伝えて行く必要があると思います。

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