2011年01月28日

OPワンポイントアドバイス

連載・ケンイチ通信──FROM イングランド
『OPセーラーへのワンポイントアドバイス その2(クローズホールド)』


1月16日
 今回のテーマはクローズホールドの前後トリムです。GORE−TEX 光ニューイヤーレガッタで、Aクラス3位となった高竹義樹君の、軽風下でのクローズホールド連続写真を例に、上手なクローズホールドの前後トリムを紹介します。


photo by Aki Ikegami

 写真の状況は、チョッピーな波のコンディションの中、スキッパーの重心移動がスムーズにできていて、艇にピッチングがなく前後方向が水平にキープされ、上手に前後トリムができていることがわかると思います。

 すぐ後ろに見える風下艇と見比べてみると、風下艇はバウが上下に揺れる形で、ピッチングしている状態なのが見てわかります。

 写真をよく見ると、前後トリムが上手くできているか、いないかの違いによって、スピードに差が生じていることが確認できるでしょう。

 波でボートがピッチングし始めると、バウとスターンが上下に揺れだし、ボートが前に進もうとする推進力が吸収されてしまいスピードが落ちてきます。

 また、艇の前後バランスが悪くなり、水平をキープできない状況になると、バウのステムに波が当たって急激にスピードがストップしたり、スターンのトランサムが引きずられることにより、大きな抵抗が発生しスピードロスにつながってしまいます。

 このようなスピードの低下を防ぐ鍵は、スキッパーの重心を艇の前後方向移動の中心に位置していく事と、常に艇の前後方向を水平に保つよう、波に合わせてスキッパーの重心位置を微調整していく点にあります(天秤の中心に自分が位置しているようなイメージです)。

 そのためには、写真のように1つ1つの波に対しても、丁寧にボートを揺らさないようにして、バランスを取っていく必要があります。

 写真の場合、前後方向に上手く下半身を固定させて、波に合わせて、上半身を中心に体を前後に動かしていますが、ボートは揺れていません。

 このため、スピードのロスはほとんどありません。しかしながら、バウのステムに波がわずかに当たっている瞬間があり、今後、ここが解消できるような感覚を養っていけば、さらに良いスピードがキープできるようになるだろうと思います。

 レースで折角良いスタートが切れたのに、クローズホールドのスピードが遅いため順位が落ちていったと耳にすることがありますが、クローズホールドのスピードが遅いのには、必ず遅い理由があります。

 今回、説明しているような抵抗の増加によるスピードの低下もその要因の1つになります。

 まずは、日頃の練習の時から、ボートの左右方向・前後方向ともに、常に水平になっているかどうかを意識していくことが大切です。

 そして、その感覚を研ぎ澄ましていくと、その場の波の形状を瞬間的に見ただけで、その波に合った上手な前後トリムができるようになり、スピードの低下を防げるようになるでしょう。

 みなさんのさらなるレベルアップを期待します。

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posted by BULKHEAD at 17:12| Comment(0) | 連載記事
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