2011年02月23日

英ジュニアを分析する1


連載・ケンイチ通信──FROM イングランド
『イギリス・ジュニアセーリングを分析する。その1』


2月16日
 イギリスがなぜ多くのメダルを獲得できるのか、どのような組織形態で強化を行っているのか、まずはピラミッドの一番底辺であるジュニアセーリングを分析し、少しずつ段を上げて紹介していきたいと思います。

 イギリスのジュニアクラスに指定されている艇種は全部で8クラスあります。

1. Topper
2. LASER 4.7
3. TECHNO 293OD
4. CADET
5. MIRROR
6. RS FEVA
7. OPTIMIST
8. DRAGOON(Hobie)

 まずは、どのくらいの規模でジュニア選手が活動しているのか、各艇種の過去5年間の全英選手権平均参加艇数と、艇種ごとに適応体重を紹介していきます。各艇種の総会員数は、おおよそ平均参加定数の2.5倍くらいになっています。

11.02.23_01.jpg
photo UK Topper Class Association

1. トッパー
全英選手権平均参加艇数:約310艇
体重幅:47〜63kg
 イギリス国内では非常に多い艇種のひとつで、シングルハンドを始める一番最初の艇種です。適応体重も47〜63kgと、大柄な選手が活動しやすい艇種になっています。また、艤装が非常にシンプルなのと、レーザーより少し細身で子供でも乗りやすい。イギリスのレーザートップ選手の多くは、この艇種から育っています。

2. レーザー4.7
全英選手権平均参加艇数:約50艇
体重幅:62kg以上〜
 前回のオリンピックでレーザー級は金メダルを獲得しています。その一番小型版としてジュニアに対応しているレーザー4.7級ですが、以外に少なく約50艇となっています。ジュニア期の最初の艇はやはりトッパーに流れているようです。小さいころから背が高く、ある程度体重がある子供たちが、一足先に乗っているようです。
 
3. テクノ293OD
全英選手権平均参加艇数:約110艇
体重幅:35〜60kg
 前回のオリンピックでは女子RSXで銅メダルを獲得しているウィンドサーフィン。ジュニアで100を超える艇数は圧巻で、選手層の厚さがうかがえます。

4. カデット
全英選手権平均参加艇数:約120艇
合計体重幅:85〜105kg
 イギリスのダブルハンドで最も多い艇種で、子供たちが乗りやすくコンパクトに設計された艇です。艇数が多く、タクティクスやストラテジー、コンビネーションなどが要求されてきます。また、ダウンウインドではスピンを展開するので、スピントリムの技術もこのころから磨かれるのでしょう。

5. ミラー
全英選手権平均参加艇数:90艇
合計体重幅:85〜110kg
 ダブルハンド゙では2番目に多い艇種で、赤いジブセールとメインセールが印象的です。合計体重も85〜110kgとレンジが広く大型の選手が乗りやすい艇種です。ダウンウインドはスピンを展開しカデット級同様、スピントリムの技術、集団の中でのタクティクス・ストラテジーなど、このころから磨かれるのでしょう。

6. RSフィーバ
 この艇種はイギリス独自の艇で、ダブルハンドの中では3番目に多い艇種となっています。ジュニア時期のダブルハンドとしては上級者の艇で、ハイクアウトのジェネカー使用となっています。この時期からすでにハイパフォーマンスディンギーに近い走りを体験しコンビネーションを磨いています。

7. オプティミスト(OP)
全英選手権平均参加艇数:約380艇
合計体重幅:38〜54kg
 OPクラスはイギリスジュニアの会員数が最も多く、800名を超えています。直近の世界選手権での上位入賞はできていないものの、次のステップ(主に420級)に乗り換えたトップ選手の多くが420級世界選手権で優勝しています。日本OP級の会員総数368名(2010年度)と比較しても底辺の大きさをうかがえるクラスです。

8. ホビードラゴン
全英選手権平均参加艇数:約10艇
合計体重幅:80〜112kg
 艇数は非常に少ないのですが、しっかりとオリンピックを見据えた活動をしているようです。ジュニア時期からこのようなハイパフォーマンス艇に乗っていること自体、驚きを感じますし、きちんとコーチングしていく体制があることは大変素晴らしいとだと思います。

 ダブルハンド4、シングルハンド4とバランス良くクラス分けがされており、自分の体格・体重に合わせたクラス選択が可能で、そのどのクラスも上位30位までが毎月2回、31〜60位までが月1回、RYA補助のもと、さまざまな場所で強化合宿が開催されています。

 各クラスを見ても分かりますが、競争率が非常に高く、きちんと教育を受けたハイレベルな選手たちが、毎月一緒に練習できる事と、きちんとしたコーチングプログラムに沿った強化が行われているため、選手は飛躍的に成長しています。

 しかし、毎月開催場所が違うので、父兄は車でトレーラーを引き、子供を現地まで送っているので、本当に大変だと思います。わが子のためにがんばるエネルギーは世界各国共通していますね。この光景は日本のOP級と同じものを感じました。子供も必死ですが、親も本当に必死でがんばっています。

 各種目のトップグループは、毎年1年を通して行われる選考レース(4、5レガッタ)の合計得点で決められます。

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