2011年03月28日

英ジュニアを分析する5

連載・ケンイチ通信──FROM イングランド
『イギリス・ジュニアセーリングを分析する。その5』


3月5日
 ここでは、ジュニアからユースへ変わる年齢が対象で、U16(U17:RS:X)のグループの艇種乗り換えトレーニングゾーンとなっています。まずはユースに指定されている艇の紹介をしましょう。
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参考:
英ジュニアを分析する1
英ジュニアを分析する2
英ジュニアを分析する3
英ジュニアを分析する4

1. 420
全英選手権平均参加艇数 約69艇 合計体重幅:85〜110kg
 このクラスに乗り換える選手の多くは、ジュニア期にダブルハンドを乗っていたチームが多いようです。昨年、420級の世界チャンピオンになったA. VOSE / M. BRICKWOODチームのスキッパーは、OP級から乗り換えたようです。世界的にもトップの地位を築いているクラスで、国内予選は非常にレベルの高い戦いとなっています。
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ISAFユースワールドで採用される420級。photo Dave Kneale/Volvo Ocean Race

2. 29er
全英選手権平均参加艇数 約55艇 合計体重幅:120〜130kg
 ハイパフォーマンスディンギーの最初の艇で、ジュニア期にRSフィーバに乗っていた選手が多く、好んで乗り換えているようです。420クラスよりも合計体重幅があり、大型選手に適したクラスとなっています。レベルも世界トップクラスで、常に上位を占めています。彼らの先に見えているのは、49erのオリンピック選手なのでしょうね。

3. レーザーラジアル
全英選手権平均参加艇数 約141艇 体重幅:60〜72kg
 男女共にラジアルクラスに進んで行くのではなく、適正体重を超えた選手などは、レーザークラスに乗り換えているようです。このクラスは非常にレベルが高く、競争率が一番激しいのではないでしょうか? コーチ陣も世界で活躍した人ばかりで、非常にハイレベルなコーチングがおこなわれています。また、男子の中で常に鍛えられている女子も相当タフな選手ばかりです。

4. RS:X 8.5
全英選手権平均参加艇数 約18艇 体重幅:55kg〜
 ジュニア期の平均参加定数が110艇あったものが、いきなり18艇と急激に減っているのには驚きです。それだけこの艇種が、大変過酷なクラスであることを示していると思います。修羅場のような戦いの中から勝ち残った選手は、将来メダリストが出ること間違いなしでしょう。イギリスには、ウインドサーフィンフリースタイルのプロ選手が多くいますが、そちらにも選手が流れているようです。

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 基本的には上記4艇種が、乗り換え艇種として指定されていますが、体格や特殊艇種の関係で、下記レーザー、スピットファイアの2クラスも特別枠で対応されています。

1. レーザー
全英選手権平均参加艇数 約80艇 体重幅:72〜83kg
 ラジアルクラスに体重が適していない選手は、このクラスから始まります。このクラスはオリンピック種目なので、いきなりメダルを目指す選手たちと戦わなければいけない過酷な状況です。しかし、次々に若手の選手が現れ、メダリストである選手たちも脅かす走りを見せています。この刺激がお互いを、奮い立たせ更なるレベルアップに貢献しているのでしょう。そういった化学反応もGBRの狙いなのでしょうね。

2. スピットファイア
全英選手権平均参加艇数 約26艇 体重幅:95〜150kg
 このクラスはジュニア期にドラグーン(ホビーキャット)に乗っていた選手の多くがこのクラスに乗り換えているようです。それにしても、この大きさで26艇のレースは迫力あるでしょうね。一度見てみたいものです。
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カタマランのスピットファイア級

 ここでも、このゾーンに入るためのオープン参加の合宿が2カ月間で週末6回行われ、8カ月(月4回)の合宿と、数回にわたる選考レースで、その年のユースナショナルチームが決まります。

 これまでジュニアでナショナルチームに入っていなくても、ここでの選考に勝ち残れば、新たに強化メンバーとして迎え入れてもらえるため、各クラス非常に艇の参加が多く、毎年激しい選考になっています。

 各クラスのトップ18に選ばれれば、ユース強化選手として集中して強化を図っていきます。基本的には各クラスのヘッドコーチを筆頭に強化が行われます。

 以前お伝えしましたが、420級の世界チャンピオンになったA. VOSE / M. BRICKWOODチームは、ちょうど1つ前のゾーンからこのゾーンに入ったばかりの選手で、短期間の練習で世界チャンピオンになったことになります。

 それを考えると、いかに効率よく選手が育っているかがうかがえると思います。このゾーンではRYAが補助し、選手参加料は£60/8400円となっています。このゾーンで勝ち残っていく選手は本当にレベルの高いセーリング技術を持っています。

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