2011年05月24日

活動再開!松島セーリング

 ロンドン五輪を目指して活動するレーザー級の斎藤大輔選手から、宮城県松島でのセーリングレポートが届きました。松島ヨットハーバーには宮城県内外のセーラーが集まってきてセーリングをはじめています。東北のセーラー、高校生は元気です! しかし、現地ではまだまだ船やセーリングギアが足りない状況とのこと。斎藤選手による現地レポートを紹介します。(BHM編集部)

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 震災から2カ月が経った5月18日、レーザー仙台フリートのAさんより「復興支援というわけではないのですが、22日に松島で気仙沼のレーザー乗りが来て合同練習します。一緒にやりませんか? 松島ヨットハーバーは復興して、宮城のヨット関係者を受け入れています」とお誘いのメールをいただき、「復活祭には駆けつけなければ!」と、日帰りの秋田〜松島行きを決定しました。(文・写真/斎藤大輔

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松島の海に再びセールがあがりました

 秋田の実家を5時に出発して、山形経由で宮城へ。山形道の月山には、まだところどころに雪が残るなか、山を越え、宮城県に入りました。沿岸にかかる道中、高速道路から見える仙台空港沿いの海側は、本当に壊滅しており、思わず声を上げてしまいました。

 松島に入ると、観光船も走り、島の風景は見慣れたままのものでしたが、近くの自販機は使えないものもありました。フリートの方と会って第一声、自分はなんて話せるだろうか? Aさんにお会いして出てきたのは、声ではなく、なぜか涙でした。

 話を聞くと、震災直後は泥が膝くらいまであふれていて、震災後、3月26日から仲間内で集まり、泥との格闘だったそうです。泥をつめた土嚢の数は3000袋。フリート関係者や神戸からのボランティアのみなさんで詰め、かき出し、やっとハーバー内の駐車場の白線が見えたそうです。奇跡的にほとんどのレーザーは流されずに残っていたようで、5月3日、Aさんによって震災後はじめてセールが上げられたそうです。

 しかし、震災の傷跡はすさまじく、浮き桟橋がひっくりかえっていたり、ハーバー施設内のPCや書類が泥だらけになっていたりしてました。津波の跡も、建物にはくっきり残っていて、施設の電機はまだ復旧していなかったし、松島湾にたくさんあった牡蠣棚もなくなっていました。

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被害をまぬがれたレーザー

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泥だらけの事務所内

 それでも、ハーバーには、当日たくさんの宮城県セーラーが集まってきて、お世話になっている仙台フリートの方々、東北学院夜間連ヨット部、東北大学ヨット部の試乗会には20名以上、塩釜高校のヨット部の生徒たち、他にもたくさんのセーラーが見られました。

 松島ヨットハーバーはおそらく、現在の宮城県で唯一、利用できるハーバーでしょう。これから、もっとたくさんのセーラーが集まってくる模様です。わたしたちも、ときおり小雨の降る寒空の中、ランチ抜きで4時間ちょっとセーリングを楽しみました。

 塩釜高校の高校生たちは、とても楽しそうに艤装し、長い時間海に出て練習し、楽しそうに重いゴムボートをスロープから上げていました。なかなか上がらないボートをあんなに楽しそうに上げる様子を見て「海に出られて本当に嬉しいんだな」と思いました。

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元気にゴムボートをあげる塩釜高校ヨット部の生徒たち

 しかし、練習艇が足りません。この日、彼女たちが乗っていたのは、FJは1艇だけで、もう1艇はトラピーズのないダブルハンドのディンギーでした。そのため、大半の部員は、レスキューボートか丘番(陸上待機)です。

 塩釜高校の伊藤先生に話を聞くと、
「これから宮城県の高校生たちが松島にやってくる予定ですが、練習艇が20艇以上足りない状況です。また、着る物も全部流されたので、カッパでも古いブーツでもなんでも良いからほしい」
 とおっしゃっていました。実際、この日もトランサムやガンネルがふっとんだ船を水が入らないように、樹脂で成形しなおしている途中の、つぎはぎだらけのFJがありました。もうすぐこの船も乗れるようです。

 当初、6月中旬に岩手県宮古市で予定されていた東北高校ヨット選手権大会(インターハイ東北予選)は、7月に私のホームポートである秋田県本荘マリーナで開催されることになっています。

 気仙沼でもやはり、艇庫ごとモノがなくなったようです。この日、気仙沼から1時間半かけて乗りに来た佐藤くんは、昨年からレーザーに乗り始めました。

 彼の生活環境はまだまだ、つらいはずですが、卑屈なことをいっさい言わず、ヨットに乗っている姿は、まぎれもなく、うまくなりたいと思っているセーラーで、私がなにかアドバイスをするたびに「もっとこうやった方が」みたいにブツブツ考えながら乗っていました。

 帰りがけに中古だけど使えるスタンダートセールをAさんからニコニコ顔で受取ったようです(別の方に聞いた情報だと、一時期よりは落ち着きましたが、気仙沼の状況は、いまだ本当に大変なようです)。

 実際に被災された方々とお会いして、私は軽はずみに、大変でしたねとか、がんばってくださいなどとは言うことができませんでした(そんなの当然にきまっている)。仲間が無事で、また一緒にセーリングできて、再会ができて本当に良かった。思ったのはそれだけでした。

 松島では、やっとセーリングにこぎつけて、前向きに活動をしています。そんな姿をみて、ヨットってやっぱりすばらしいものだと思い、自分もがんばろうと思いました。誘ってくださった仙台フリートのみなさん、ありがとうございました。

 私ごときがお願いするのもなんですが、全国のみなさま、ヨットに乗りたくても乗れない子たちが、まだまだたくさんいます。どうかご支援をいただけたらと本当に思います。

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posted by BULKHEAD at 10:49| Comment(0) | 東北支援
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