2011年09月22日

全日本女子インカレ展望 2

◎スナイプ級
 正規チームでもエース級の活躍を続けた昨年の1〜5位までのスキッパーが揃って卒業。「目の上のタンコブ」世代がいなくなって、フレッシュな新興勢力間でのタイトル争いとなる。(文/外道無量院)

 関東女子インを制し、関東個選でも男子勢を蹴散らして「準優勝」に輝いた稲垣奈美(4年・海津明誠)/古屋佳帆(1年・吉田)組(日本大)。稲垣は、インターハイチャンプの経歴も持つ逸材で、このクラスでは内外ともに昨年までは1つ上の層が厚く、タイトル奪取には最後のチャンスとなったが、ぜひとも手にして卒業したい所だろう。

 また、このところ男女/個人/団体を問わず、「日本一」のタイトルから遠ざかっている名門・日大ヨット部としても、ここはまずひとつを取り戻すチャンス到来だ。今年の「本命」に指名する。

 昨年は、出場叶わずに涙を飲んだ立命館大の中武唯(4年・博多女子)。実は他大会との併催で出場艇も少なく、目立たないタイトルではあるが、昨年の部活動自粛直前時期に木内蓉子(当時・早稲田大)を破って「全日本女子スナイプ」の女王に輝いている。こちらも、自分自身が最終学年であるが、また同時に、470級で出場する日経大・安田真世と同様に廃部となった母校・博多女子高ヨット部の大学現役最後の世代としてもタイトルが欲しいところ。情報がないだけにクルーは推測となるが、麻田実夢(1年・芦屋)あたりを起用してくるか?

 今年の全日本個選優勝で一躍注目が集まる鹿屋体育大からは、1年生から正規チームでレギュラーを張る岡美江(4年・啓明学院)が、薄田成美(2年・高志)と組んで虎視眈眈とタイトル奪取を狙って登場してくる。卒業した昨年の1〜5位スキッパーの次、昨年6位の岡としては、タイトル奪取は、言わば「自分の番」でもある。本命に推した稲垣同様に最後のチャンス。お互いに燃えるモノもあるだろう。

 フレッシュな新興勢力の代表としては、早稲田大の山口優(1年・唐津西)/塩出真依子(4年・宝塚北)が筆頭か。山口優は新人ながら正規チームでのレギュラー争いでも椅子を確保しつつある。そうなると全日本インカレではクラス3連覇、総合4連覇のキーポイントともなりそうで、ここはタイトル争いとは別の意味でもその走りには注目したいところだ。

 他、中央大の久保彩夏(4年・平塚農)/本谷友香利(1年・羽咋工)組、明治大の山口紗生(3年・磯辺)/船橋咲子(1年・国立)、明海大の川戸志織(2年・碧南)/有銘一子(2年・沖縄尚学)・田上歩(2年・東海大二)あたりまでは入賞圏に手が届く可能性がある。

 関西学院大の若林沙優実(4年・星林)は、昨年の夏まではスナイプに乗っていたが、昨年の女子インカレ「総合優勝」狙いのチーム事情で夏合宿から470にコンバートされ、見事、1カ月の特訓で目論みどうりにその「総合初優勝」に貢献した。以後も470に乗り続け、今では正規470チームで松下とのレギュラー争いまでする腕前になった。

 今年の全日本個選にも470で出場し、サバイバルな全3レースとも完走し、15位(女子スキッパー2位)と健闘した。今年は「総合2連覇」が掛かるチーム事情からか、この女子インカレには再びスナイプに乗っての登場だ。昨年のチャンピオン・クルー・山本千紗(3年・追手門学院)と組み、1年ぶりのスナイプ対策も万全か? ヨット競技では耳慣れない言葉ではあるが、「ユーティリティー・プレイヤー」という表現を許されれば、彼女を置いて他にいまい。

 関西学院大からはもう1艇、樫原梨乃(2年・啓明学院)/末繁まゆ(2年・別府青山)組も出場。女子としては重量級なので、吹けば軽量の若林艇に代わっての上位進出もありそうだ。

 その関西水域でチャンピオンとなったのは、甲南大の善本万理子(3年・高松商)/梅田茜(3年・親和女子)組だ。7月上旬に開催されたその大会には、関西大勢も参加したし、そこでの「優勝」は素直に評価したい。2年ぶりに全日本インカレ出場を決めた正規チームでも今や、「エース」格である。全国の舞台でどこまで通用するか、その走りが楽しみなペアだ。

 また、このところスナイプ級男子では健闘が目立つ国公立勢(一般)。「女子でも」、という事で、東京海洋大の船原桃子(3年)/古川あずみ(3年))組と横浜国大の大藪美沙(4年・岐阜)/渡辺紀絵(2年・滝)組の健闘にも期待したい。

まとめ
 目の上のタンコブ世代が卒業で抜け、新勢力間での混戦。
◎・・・・・・・・稲垣/古屋組(日本大)
〇・・・・・・・・中武/麻田組(立命館大)
▲・・・・・・・・岡/薄田組(鹿屋体大)
△・・・・・・・・善本/梅田組(甲南大)
△・・・・・・・・若林/山本組(関西学院大)
△・・・・・・・・山口優/塩出組(早稲田大)
△・・・・・・・・久保/本谷組(中央大)
△・・・・・・・・山口紗/船橋組(明治大)
△・・・・・・・・樫原/末繁組(関西学院大)
△・・・・・・・・川戸/有銘・田上組(明海大)
△・・・・・・・・船原/古川組(東京海洋大)
△・・・・・・・・大藪/渡辺組(横浜国大)

◎総合
 昨年優勝の関西学院大と一昨年優勝の早稲田大が、それぞれにエースが卒業で抜けても優勝争いの主役の座を守れるか? あるいは、その前に女子インの看板だった立命館大、日本大、そして鹿屋体大の巻き返しなるか? いずれにしても、その5強の争いとなりそうだ。

 遠路を考慮して早めに現地入りし、20日には葉山での練習を開始して本番までに万全を期す鹿屋体大に比べて、いかに楽勝だったとはいえ、前週に3日間の関西インカレを戦った直後に長距離移動を挟んでの直前の現地入りとなる関西学院大は、コンディショニングの観点から少し評価を割り引いた。

 ちなみに、第6回大会からできた「総合優勝」の部での連覇は、7〜8回大会の立命館大、9〜10回大会の日本大、13〜14回大会の法政大(14回大会は立命館大と2校優勝)と過去3度ある。関西学院大が今年に連覇達成となれば史上4校目。

◎・・・・・・・鹿屋体大
〇・・・・・・・早稲田大
▲・・・・・・・関西学院大
△・・・・・・・日本大
△・・・・・・・立命館大

 以上、参加各大学の幸運と健闘を祈る。

◎バルクヘッドマガジン記事
9月21日 全日本女子インカレ展望 1

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posted by BULKHEAD at 09:00| Comment(0) | インカレ
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