2011年10月24日

江の島五輪W最終レポート

 10月23日、オリンピックウィーク最終日は、南西のうねりが入り、モス、49er級にはむずかしい海面となりました。風も8メートル前後まで上がったため、練習量の少ない49erは五輪選手による海上講習会に変更。モス級はハーバー近くの湾内でショートコースでおこなわれました。他クラスは予定通りの3レースおこなわれました。(BHM編集部)

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23日まで3日間、江の島で開催されたオリンピックウィーク。photo by Junichi Hirai

 最大参加艇数を集めた470級は、原田/吉田の独擅場となりました。8レース中、2つの2位をカットレースにオールトップで優勝。その内容も、スタートで飛び出し、第1レグの半分までにフリートを完全に支配するカタチに持っていく理想の展開です。

 ナショナルチームの多くは、日本代表選考(ワールド)用のボートをオーストラリア・パースへ搬送してあり、国内練習用で出場しました。ほとんどの選手は、11月第一週目には渡豪する予定で、現地で最終調整に入ります。しかし、それにしても原田/吉田が見せた横綱相撲は、圧倒的な印象を受けました。

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470級優勝の原田/吉田。レース後のアビームチームは一般報道(新聞社やテレビ局)の記者からの取材を受けていました。photo by Junichi Hirai

「今回はうまいレース運びができました。ただ、今回の結果はあまり重要視することではないと考えています。パースでは、スタートの壁も厚いし、絶対に今回と同じシチュエーションにはならない。ぼくが風邪を引いていたのがよかったのかもしれませんね(笑)。寝込んでいて、3日前にはじめて100歩あるいたほどしんどかった。来週はオフなんで出発まで休養します」(吉田)

 対して、2位に甘んじた松永鉄也は、
「(原田/吉田は)スタートも決まってたし、早い段階でいい位置にもっていけていた。上マークまでに抜け出して走っているから、ああなると厳しいですね。でも、うまく行き過ぎでしょう、今回は。ぼくたちの仕上がりも決して悪くありません。パースの最終選考は、本当にナニが起こるのか分からない。気持ちが大きく影響する場面だし、北京の時の最終選考で体験したことです。前回の最終選考の時、「ワールドってこんな緊張感なくていいんだっけ?」と太郎(北京五輪代表クルーの上野太郎)と話していたぐらいですから。今回も、そういったムードで行きたいですね」(松永)

 日本代表最終決戦は、12月5日からオーストラリア・パース(フリーマントル)で開催されます。バルクヘッドマガジンは、大会初日より現地からレポートする予定です。

 また、他クラスのレースで最も印象に残ったのは、韓国からやってきたハ・ジーメン。北京五輪レーザー級代表の彼は、現在世界ランキング40位。日本選手よりもワンランク上の層で戦う選手です。このオリンピックウィークでも、3回のトップを含める貫禄の優勝を決めました。

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レーザー級優勝、ハ・ジーメン。長身とゴムのようにしなやかなカラダの使い方が印象的でした。photo by Junichi Hirai

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ラジアル級優勝の蛭田香名子。photo by Junichi Hirai

 混沌としていたのが、レーザーラジアル級です。ナショナルチームの蛭田が優勝しましたが、2位となった高校生の土居は軽風域では速く、また3位にもナショナルチーム枠外の長谷川が入りました。圧倒的な力量差があるわけではない印象です。レーザー、ラジアル級も同じく12月パースが代表選考となりますが、もし国別15位以内(レーザー級は20位以内)に入れなかった場合は、ナショナルチーム枠外の選手にも代表になる可能性が残されています。

【 2011年世界選手権にて代表候補が決定した場合でも、2012年世界選手権において、決定以外の選手が国別10位以内を収め(複数存在する場合は 上位の選手)は、かつ2011年決定の代表候補が以下の成績を収めなかった場合には、代表候補を入れ替える事とする】(ロンドン五輪レーザーラジアル級代表選考基準より)

 今年のオリンピックウィークでは、例年以上の数が集まり、また初参加のフォイラーモスなどが入ったこともあり、にぎやかな大会となりました。BHM編集部が知るかぎり、江の島で復活開催されることになってから一番盛り上がったのではないでしょうか。この背景には、まぎれもなく学生選手の出場があります。また、レーザー4.7や420といったユース種目に出場する選手も増えてきています。

 2008年には大会そのものが中止になったこともあるオリンピックウィークですが、若手と社会人、五輪選手が交流する重要な意味を持つ大会だと感じています。来年も日本を代表する大きなディンギーイベントになることを願います。

◎江の島オリンピックウィーク2011
http://www.f-ssc.com/EOW2011.htm

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スナイプ級優勝の加藤/杉浦。470と同じく学生選手が多数出場したスナイプですが、スタートがうまく決まらずゼネリコを繰り返していました。photo by Junichi Hirai

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学生の中で威勢が良かったのは同志社大スナイプチーム。写真は総合4位の辰巳/荒川。photo by Junichi Hirai

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420級は今年ISAFユースワールドに出場した角田/古屋が優勝。photo by Junichi Hirai

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4.7級優勝の岡田奎樹。今年はマレーシアのOPワールド3位、レーザー4.7ワールド4位と大活躍です。photo by Junichi Hirai

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モス級は湾内で1レース5分程度のスピードバトル。優勝は後藤(写真中央)、2位は阪間(左)、3位は鈴木選手(写真は代打表彰の佐藤選手)でした。後藤選手は先日モスで日本記録30ノット超えを達成しています。photo by Junichi Hirai

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今後の江の島はビッグイベントが満載。11月3〜6日まで全日本インカレ、11月10〜13日までスナイプ全日本が開催されます。photo by Junichi Hirai

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posted by BULKHEAD at 06:35| Comment(0) | ディンギー
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