2011年10月30日

全日本インカレ展望(4)

2011年全日本インカレ展望と解説・総合

 470級では日経大(片クラス特化)が突出した存在になってしまった状況からなのか、あるいは、部員不足によるやむ得ぬ事情の結果なのかは別にして、「総合優勝」を狙う有力校内部で、ほんの数年前までの傾向がまったく逆転し、「エース級のスキッパーを470級ではなくスナイプ級に配置」してくる、というように変化していないか、と感じる。(文/外道無量院)

 具体例をあげれば、早稲田は横田敏一(主将)が今年から、関西学院は西尾将志(主将)、同志社は西村秀樹(3年生ながら不動のエース)を昨年からスナイプにコンバートしている。立命館もエース格の曽和慎也はスナイプだ。他にも明治もエース格の横田貴大(2年・藤沢西)を今年からスナイプに乗せ代えている。

 結果的に、これらの事が470級での日経大の独走を、より容易くすることを助けている事になっているのは皮肉な事なのだが…。

 また、関東以外ではあまり知られていない事かも知れないが、この全日本インカレを上回る歴史を誇る関東インカレで、「優勝旗」はクラス別には存在せず、「総合優勝」だけに用意されている。しかるに、少なくとも関東水域のヨット部としての最終的な目標が、「総合優勝」にある事は当然と言えば当然の事なのだ。

 今年の総合優勝争いは、「史上2校目」となる早稲田の4連覇が掛かる。「4連覇達成」ともなれば、4年生・10人は、優勝した経験だけを持って卒業していくというなんとも幸運な世代となるのだ。

 過去の経験者は、第50回(1985年・昭和60年)江の島大会から第53回(1988年・昭和63年)広島大会に掛けて総合4連覇を達成した「同志社大学・平成元年卒業組」だけだ。

 さて、結論としては、地元・関東開催での強さ・相性を考慮し、日大を本命とした。対抗は、不慣れな海面・アウェーを克服した場合の関学大。単穴(本命・対抗をまとめて負かす可能性のある3番手・前出)は、「早稲田の4連覇阻止」に執念を燃やす同志社とするか、逆にその「4連覇達成」を目指す早稲田かで、大いに悩んだ。

 熟慮の結果、同志社470級のスキッパー全員が1、2年生で、クルーを含めて4年生はゼロ、という点はどうしても大きな不安材料であると判断し、選手個々の力に不安は有るものの、2008年以降のインカレでは、「必勝戦法」を確立したかに見える早稲田を上位に取った。

 今年のチーム力での「4連覇」の達成は容易ではないが、実は、今年は他にも傑出した力を持つチームも見当たらず、有る意味ではまだ、「運」も味方しているとも言えるからだ。「可能圏内」には、かろうじて踏みとどまっていると見た。

 どちらにしても、日大、関学大をまとめて負かせば、早稲田か同志社だろう。極端に偏った条件下で進まない限り、以上が「4強」を構成してシリーズをリードして進むと予想する。伝統的に混戦に強い立命館がその次か?

 2年連続で総合準優勝の慶應義塾は、スナイプのスキッパー3名全員が全日本インカレ初体験ということ。吹けばスナイプは確実に速い福岡大は、470の2、3番艇に不安があるので評価を割り引いた。その次に少人数ながら健闘が目立つ中央大、という順に評価。

 また、横浜国大、金沢大、そして九州大の国立総合大学3校の総合順位争いにも注目だ。スナイプ級では横浜国大が、470級では九州大がやや優勢と見るが、総合での評価は全くの互角。入賞圏(6位以内)に絡んでの争いともなれば、さらに面白いのだが…。

まとめ
◎・・・・・・・日本大
〇・・・・・・・関西学院大
▲・・・・・・・早稲田大
△・・・・・・・同志社大
△・・・・・・・立命館大
△・・・・・・・慶應義塾大
△・・・・・・・福岡大
△・・・・・・・中央大
注目・・・・・横浜国大、金沢大、九州大の「国立総合大」間の上位争い。

以上、参加各位の健闘と幸運を祈る。

※なお、恒例により、「2011年・展望特別版 」を希望者にのみ配信する。希望者は、件名に特別版希望と記入し、本文欄に何かしらのコメントを添えて(件名・本文欄が空欄だとSPAMと判断されて届かないので)QZT00265★nifty.ne.jp(★マークを@に替えて)に、10月末日までメールにて要求の事。折り返し、11月2日に「2011年展望特別版」を配信する。

江の島全日本インカレ展望と解説(1)プレビュー
江の島全日本インカレ展望と解説(2)470級
江の島全日本インカレ展望と解説(3)スナイプ級

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posted by BULKHEAD at 12:24| Comment(2) | オリンピック
この記事へのコメント
外道無量院さま

いつも楽しんで読んでいます。
洪水のバンコクでライジャケ着ながら書かれたのでしょうか。
それとも水のないカラカラのタニヤで推敲されたのでしょうか。

戦力分析予想には毎回脱帽ですが、中央大学の評価が低くないですか。
合宿所新設、救命艇大型化、3艇新艇購入という大規模かつ集中投資のマネジメント力はいまや関東随一です。
強風の日に合宿所見学訪問した他大学OB会副会長によれば、強風で出艇できない学生が勉強していたと感心したそうです。
ブログの更新も雑な関東名門校に対して、来年につながる中央大学の躍進に期待しています。

追伸
ところでナナやソイカは洪水でどうでしょうか
Posted by 老舟 at 2011年11月02日 17:26
老舟様、

御心配頂き、有難うございます。
タイ脱出の日本人殺到で、航空便の手配に一苦労しましたが、タイ海軍。スーナン将軍のおかげで無事に帰国できました。
おかげさまで、GB42・「Mai Pen Rai」の高い眼高・フライブリッジからのインカレ観戦、堪能いたしました。

明日も楽しみです。
Posted by 外道無量院 at 2011年11月05日 01:30
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