2011年12月05日

パースへ向かう機内にて

 パースへ向かう飛行機の中で書いています。座席のまわりは睡眠タイムで照明が消されて真っ暗。でも、なんとなく眠る気がしません。バルクヘッドマガジンは、今回取材するISAFセーリングワールドに強い思い入れがあります。前大会は2007年7月にポルトガル・カスカイスで開催されました。この時の思い出が鮮烈に残っているからです。(BHM編集部)

 当時のバルクヘッドマガジンは本当に取材費がなくて、海とは関係のない仕事で稼いだ資金を取材に費やしてきました。いま思えば、「あと先を考えていない、その日暮らし」のようなものです。ある時から、思い立って海に関係する仕事しかしないことにしたのですが…(その話は別の機会にでも)。

 国内をまわるだけでも大変でしたが、どうしてもカスカイスに行きたくて、最後にはバルクヘッドマガジンでオリジナルTシャツを販売して経費の足しにすることを考えました。当時から応援してくださっている読者のみなさん、本当にありがとうございます。ヨッティングフォトジャーナリストが取材経費を集めるためにTシャツを販売したのは、国内で最初で最後ではないでしょうか。いま思えば、無茶なことをしていたように思います。

 このアイデアは、アテネ五輪でキャンペーンしていた石橋・後藤チームを真似たものですが、まだセーリングニュースのウエブメディアが世界にそれほど多くなかった時代です。ポルトガル出発直前にもかかわらずTシャツは評判よく、おかげでなんとか海外取材を乗り切ることができました。

 行き当たりばったりの取材を終えられたこともそうですが、応援してくれる人がいることがうれしかった。あのときにもらったパワーはいまの原動力だし、感謝の気持ちは忘れていません。

 ぼくの好きなカメラマンが、以前インタビューでこんなことを話していました。

「多くの場合、最高の瞬間は最悪の時だったりする。光の具合とか、ナンだとか考えている余裕はなくて、ただそこで必至になっているとすごいことが起きる。決まったやり方はない。その場所に行って、やれることをやって、必要なもの、欲しいものをとらえる。
 若い時のこういう意欲や情熱は、いまもあるけれど、たぶん年を重ねると変わるんだと思う。でも、そういうものは何歳になってももっていなければ、と思うんだ。自分がやっていることをやり続けるために。もし、自分のやっていることに情熱を傾けられないなら、やるべきじゃない」

 情熱なんて言葉にすると、馬鹿にされたり、冷やかされたりすることがあります。でも、それって何かを続けていくには大事なことで、なくてはならないものだと実感しています。

 ぼくは、オリンピックを目指す選手ではありませんが、だれもできることではない活動のむずかしさを少しは理解しているつもりです。このISAFセーリングワールドは、ひとつの答え合わせです。勝つ選手、敗れる選手がいます。勝った選手には、最大限の賛辞を贈ろうと思っています。

 フライトは残り4時間。夜が明けると日本代表選手を選考するISAFセーリングワールドがはじまります。

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posted by BULKHEAD at 02:21| Comment(0) | コラム
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